フーガ(FUGA)画像館 (04.11.15)
伝統あるセドリック、グロリアに代わって登場した新高級車。
前年のモーターショーで展示された試作とは同じようで、後ろ周りなど風味が異なります。
ティーダの時も感じましたが、外観がいきなり斬新になっても、触れてみると旧来の高級車ユーザーを意識した細やかな上品さがあり、伝統ある名を切り捨てた代わりに精いっぱい配慮する、まるで「オリックスバファローズの仰木監督」のような努力がしのばれます。
BMWばりに4輪を踏ん張った高速道向けのプロポーションになり、セド伝来の鼻のひょろ長さが一新されました。シルエットだけ見れば、セドグロが代を重ねる毎に「クラウンと対決を避けスポーティーになった」と言われていた流れが、行き着くまで行ったと思われます。しかし、手に触れる細部は「お金持ちの車」相応の繊細なもので、予想を裏切ります。
現行シーマ登場の時は、1にゴーン改革、2にレーン維持装置、3にガトリング砲(笑)に目を奪われ、日本人好みしないデザインもあって気付かずにいましたが、近代的な「走りそうな形をした高級車像」を、こつこつと作り上げたのでしょう。誰もが「ミツオカか?」と言った命名もその表れかも。
気がつけば、最近の「金属削り出し調」の日産デザイン、先代セドグロ辺りが始まりですので、フーガはいよいよ2代目に入った訳です。
金属塊デザインは当初、好き嫌いの分かれる物でしたが、ウイングロードのマイナーで「塁に出て」、マーチ、Zと連打で反撃開始、ティアナあたりで世代を選ばず素直に美しいと思えるようになってきました。
「金属塊」な印象はむしろセドグロの方が強かった位ですし、フーガはスポーティになったと言うより、高級車の近代化が練れてきた、板についてきた、という印象を持ちました。(勿論、走らせたらスポーティなんでしょうが、デザインや細部についての印象です)
最近、クラウンが変わった変わったと騒がれましたが、アップデイトしたとは言え元がアレすぎましたし、マーク某も、より流線型へと正常?進化しました。
日産は産みの苦しみを経て、新しい高級車像を作ったようです。再び「田舎臭くない方の代表」として挑戦権を得てもらいたいものです。
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